Linux Mintがアップデート後に起動しない場合でも、すぐにデータを諦める必要はありません。

私はLive USBから起動して、fsarchiverで現在のシステムパーティションをバックアップしたあと、Linux Mintを再インストールしました。

その後、fsarchiverで保存していたバックアップから必要なデータを戻し、Firefoxのプロファイルも復元したことで、以前の環境をほぼ取り戻すことができました。

今回発生したのは、Linux Mintがアップデート後に起動しないというトラブルです。

アップデートを適用して再起動したところ、黒画面のままデスクトップが表示されず、ログイン画面にも進めなくなりました。

幸い、Timeshiftのバックアップは残っていましたが、最後に作成したのは今年のはじめです。

そのバックアップを使うと、ここ数か月で追加したファイルやソフト、変更した設定などが失われる可能性がありました。

できる限り最新の状態で復旧したかったため、Live USBから起動し、fsarchiverで起動しなくなったシステムを保存してから復旧作業を進めることにしました。

この記事では、Linux Mintがアップデート後に起動しない状態になってから、fsarchiverを使ってデータをバックアップし、元の環境を取り戻すまでの流れを実体験をもとに紹介します。

Contents
  1. Linux Mintがアップデート後に起動しなくなった経緯
  2. Linux Mintを起動させるために最初に試したこと
  3. 再インストール前にデータを守る必要があった
  4. Timeshiftのバックアップは古いものしかなかった
  5. 最新の状態を保存するためfsarchiverを使用
  6. Linux Mintを再インストール
  7. fsarchiverからホームディレクトリを復元
  8. Firefoxのブックマークやタブが消えた
  9. fsarchiverのバックアップがあったから安心して作業できた
  10. 今回のトラブルから学んだこと
  11. まとめ

Linux Mintがアップデート後に起動しなくなった経緯

今回使用していたのは、Core i7-2720QMを搭載したノートパソコンです。

普段どおりLinux Mintのアップデートマネージャーから更新を適用し、処理が終わったあとにパソコンを再起動しました。

アップデート中に目立ったエラーは表示されていなかったため、通常どおり起動すると思っていました。

ところが、再起動後にLinux Mintのデスクトップが表示されなくなりました。

再起動後は黒画面のまま停止

再起動後に発生した主な症状は、次のとおりです。

  • Linux Mintが正常に起動しない
  • 画面が黒いまま止まる
  • ログイン画面まで進まない
  • デスクトップが表示されない
  • しばらく待っても画面が変化しない

一度電源を切って起動し直しても、状況は変わりませんでした。

アップデートを適用するまでは普通に使えていたため、更新されたカーネルやドライバー、システムファイルなどが影響した可能性を考えました。

問題が起きたのはCore i7-2720QM搭載ノートだけ

今回、アップデート後に起動しなくなったのは、Core i7-2720QMを搭載したノートパソコンだけでした。

同じ時期にアップデートを適用した、ほかのLinux Mint搭載パソコンでは問題なく起動しています。

そのため、今回のトラブルがすべてのLinux Mint環境で発生するとは限りません。

Linux Mintのアップデートそのものに一律の問題があったというよりも、使用しているパソコンのハードウェアやドライバー、カーネルとの組み合わせなどが影響した可能性があります。

ただし、正確な原因までは特定できませんでした。

Linux Mintを起動させるために最初に試したこと

すぐに再インストールするのではなく、まずは既存の環境をそのまま起動できないか、いくつかの方法を試しました。

Recovery Modeからの起動

最初に試したのは、GRUBメニューからRecovery Modeを選択して起動する方法です。

Recovery Modeでは、通常起動とは異なる最小限の構成でLinux Mintを立ち上げたり、ファイルシステムの確認を行ったりできます。

しかし、今回の環境ではRecovery Modeを使用しても、正常にデスクトップまで起動できませんでした。

古いカーネルからの起動

アップデート後に起動しなくなった場合、新しく追加されたカーネルに問題がある可能性があります。

そのため、GRUBの詳細オプションから以前のカーネルを選択して起動を試しました。

しかし、古いカーネルを選択しても、黒画面になる状態は改善しませんでした。

GRUBの起動設定を変更

グラフィックドライバーや画面表示の問題を疑い、GRUBの起動オプションも変更しました。

一時的に起動オプションを編集し、画面表示に関係する設定を変更して起動を試しましたが、正常なログイン画面は表示されませんでした。

ファイルシステムのチェック

SSDやパーティションのファイルシステムに問題が起きている可能性も考え、ファイルシステムのチェックも行いました。

しかし、確認や修復を行ってもLinux Mintは起動せず、黒画面の状態が続きました。

試しても改善しなかった

Recovery Mode、古いカーネル、GRUBの設定変更、ファイルシステムチェックなどを試しましたが、今回は改善しませんでした。

この時点で、現在の環境をそのまま修復することは難しいと判断しました。

そこで、データを残したままLinux Mintを再インストールする方向で作業を進めることにしました。

再インストール前にデータを守る必要があった

Linux Mint自体は再インストールできます。

しかし、パソコンの中には失いたくないデータや設定が数多く残っていました。

失いたくなかったデータ

特に残しておきたかったのは、次のようなデータです。

  • ブログ記事の下書きやメモ
  • ブログで使用する画像や資料
  • Firefoxのブックマーク
  • Firefoxに保存していたパスワード
  • ブラウザの履歴や開いていたタブ
  • インストールしたソフトの設定
  • Linux Mintのデスクトップ設定
  • 作業途中のファイル
  • ホームディレクトリ内の個人データ

再インストールの方法を間違えれば、これらのデータが失われる可能性があります。

そのため、OSの再インストールを行う前に、現在の状態を別の場所へ保存する必要がありました。

Timeshiftのバックアップは古いものしかなかった

私は以前からTimeshiftを使って、Linux Mintのバックアップを作成していました。

そのため、最初はTimeshiftから復元する方法も考えました。

最後のバックアップは今年のはじめ

Timeshiftのバックアップ自体は残っていましたが、最後に作成したのは今年のはじめでした。

現在の環境と比べると、かなり古い状態です。

その後もLinux Mintを使い続けており、ブログの記事を書いたり、ソフトを追加したり、設定を変更したりしていました。

古いTimeshiftのバックアップへ戻してしまうと、今年のはじめ以降に変更した環境を失う可能性があります。

古い状態ではなく最新の環境を残したかった

Timeshiftのバックアップがあるだけでも、何もない状態よりは安心です。

しかし、今回の目的は単にLinux Mintを起動できる状態へ戻すことではありませんでした。

できる限り、トラブルが発生する直前の最新の状態まで復旧したいと考えていました。

そこで、古いTimeshiftのバックアップだけに頼るのではなく、起動しなくなった現在のシステムパーティションを新たに保存することにしました。

最新の状態を保存するためfsarchiverを使用

最新の状態をバックアップするために使用したのが、fsarchiverです。

Linux Mint自体は正常に起動しませんでしたが、Live USBからであれば内蔵SSDのパーティションを確認できました。

Live USBからLinux Mintを起動

まず、別途用意していたLinux MintのLive USBからパソコンを起動しました。

Live USBを使えば、内蔵SSDにインストールされているLinux Mintが起動しない場合でも、USBメモリ上のLinux環境を使用できます。

Live環境から内蔵SSDが認識されていることや、ホームディレクトリ内のデータが残っていることを確認しました。

データが確認できたことで、SSD自体が完全に故障している可能性は低いと判断できました。

※今回の作業ではLinux MintのLive USBを使用しました。

緊急時はUSBメモリがないとLive USBを作成できないため、1本用意しておくと安心です。

fsarchiverでシステムパーティションを保存

Live USBから起動したあと、fsarchiverを使ってLinux Mintが入っていたシステムパーティションをバックアップしました。

fsarchiverは、Linuxのファイルシステムをアーカイブファイルとして保存できるツールです。

パーティション全体をそのまま複製する方法とは異なり、ファイルシステム内の使用されているデータを中心に保存できます。

今回は、起動しなくなったLinux Mintのシステムパーティションをfsarchiverでイメージ化し、別のストレージへ保存しました。

バックアップ先には十分な空き容量がある外付けSSDやHDDを用意しておくと安心です。

fsarchiverを選んだ理由

fsarchiverを選んだ主な理由は、トラブルが発生する直前の状態を保存したかったからです。

Timeshiftに残っていたのは今年のはじめのバックアップでしたが、fsarchiverであれば、起動しなくなった時点のパーティションをそのまま保存できます。

正常に起動できない状態であっても、ファイルシステムを読み取ることができれば、現在残っているデータをバックアップできます。

これにより、再インストール後に必要なファイルや設定を取り出せる可能性が高くなりました。

Linux Mintを再インストール

fsarchiverのバックアップが正常に作成できたことを確認してから、Linux Mintの再インストールを行いました。

バックアップを確認してから作業を開始

再インストールを始める前に、バックアップファイルが保存先のストレージに存在することを確認しました。

バックアップ先の容量やファイルサイズも確認し、作成処理が途中で失敗していないことを確かめました。

この確認をせずに再インストールを始めると、バックアップできていると思っていたファイルが実際には保存されていない可能性があります。

再インストール後にホームディレクトリを復元

今回はLinux Mintを再インストールしたあと、fsarchiverのバックアップから以前のホームディレクトリを復元し、必要なデータを新しい環境へコピーしました。

再インストール後、Linux Mintは正常に起動し、ログイン画面やデスクトップも表示されるようになりました。

黒画面のまま止まっていた状態からは復旧できました。

すべてが完全に元通りになったわけではない

Linux Mintは起動するようになりましたが、以前と完全に同じ状態ではありませんでした。

必要なファイルは多く復元できましたが、一部のソフトやシステム設定は再設定が必要でした。

また、Firefoxを起動すると、以前使用していた環境とは異なる状態で開きました。

fsarchiverからホームディレクトリを復元

今回はLinux Mintを再インストールしたあと、fsarchiverで復元したホームディレクトリから必要なデータを新しい環境へコピーしました。

バックアップをそのまま上書きしなかった

今回は、fsarchiverのバックアップを新しいシステムへすべて上書きするのではなく、必要なデータを確認しながら復元しました。

システム全体を無条件に戻すと、起動しなくなった原因まで一緒に戻してしまう可能性があるためです。

そのため、ホームディレクトリ内のファイルや、以前の設定が保存されているフォルダを中心に確認しました。

以前のホームディレクトリからデータをコピー

fsarchiverから復元した環境には、以前使用していたホームディレクトリのデータが残っていました。

そこから、現在のLinux Mint環境へ必要なファイルをコピーしました。

ブログ関係のファイルや画像、各種設定ファイルなどを確認しながら戻していきました。

一度にすべてを上書きするのではなく、必要なデータから順番に移したことで、トラブルを避けながら復旧できました。

Firefoxのブックマークやタブが消えた

Linux Mintの再インストール後、Firefoxを起動すると、以前とは違う初期状態に近い画面が表示されました。

Firefoxが別のプロファイルを使用していた

確認すると、Firefoxのデータ自体が完全に消えたわけではなく、新しいプロファイルが作成されていました。

Firefoxでは、ブックマークや履歴、パスワード、拡張機能などがプロファイルフォルダに保存されています。

再インストール後のFirefoxは、新しく作成されたプロファイルを使用していたため、以前のデータが表示されていませんでした。

以前のFirefoxプロファイルを探した

ホームディレクトリ内のFirefox関連フォルダを確認すると、以前使用していたプロファイルが残っていました。

また、fsarchiverのバックアップから復元したデータ内にも、Firefoxのプロファイルを確認できました。

複数のプロファイルが存在していたため、フォルダの容量や更新日時、内部のファイルなどを確認しながら、以前使用していたものを探しました。

profiles.iniを修正して元のプロファイルへ戻した

Firefoxが使用するプロファイルは、profiles.iniなどの設定ファイルで管理されています。

Firefoxが新しいプロファイルを参照していたため、以前使用していたプロファイルを参照するように設定を変更しました。

設定後にFirefoxを起動すると、以前の環境が表示されるようになりました。

ブックマークやパスワードも復元できた

以前のプロファイルへ切り替えたことで、次のデータを復元できました。

  • ブックマーク
  • 保存していたパスワード
  • 閲覧履歴
  • 開いていたタブ
  • Firefoxの各種設定
  • インストールしていた拡張機能

Firefoxを元の状態へ戻せたことで、普段の作業環境もほぼ復旧できました。

fsarchiverのバックアップがあったから安心して作業できた

今回の作業を通して最も強く感じたのは、バックアップがあるだけで精神的な余裕が大きく変わるということです。

バックアップなしでは再インストールが怖い

バックアップを作成せずに再インストールを行う場合、操作を間違えれば重要なデータを失う可能性があります。

特にパーティションの選択やフォーマットを伴う作業では、少しのミスがデータ消失につながります。

今回はfsarchiverで現在のシステムを保存していたため、落ち着いて作業を進めることができました。

Timeshiftだけでは最新状態に戻せなかった

Timeshiftのバックアップも役に立つものですが、バックアップが古ければ、最新の環境へは戻せません。

今回のように、最後のTimeshiftバックアップから数か月が経過している場合、その間に追加したデータや設定が失われる可能性があります。

Timeshiftを使用しているから安心だと思わず、定期的に新しいバックアップが作成されているか確認することが重要です。

複数のバックアップ方法を用意したほうがよい

Timeshiftとfsarchiverは、目的が完全に同じではありません。

Timeshiftはシステムを以前の状態へ戻す用途に便利ですが、fsarchiverはパーティションのファイルシステムをまとめて保存したい場合に役立ちます。

さらに、個人ファイルについては、rsyncや外付けストレージへのコピーなど、別の方法でも保存しておくと安心です。

一つのバックアップ方法だけに頼るのではなく、複数の方法を組み合わせることが大切だと感じました。

今回のトラブルから学んだこと

Linux Mintが突然起動しなくなると、データがすべて消えたように感じて焦ってしまいます。

しかし、OSが起動しなくても、Live USBから内蔵SSDを確認できる場合があります。

起動しなくてもデータが消えたとは限らない

今回もLinux Mintは起動しませんでしたが、内蔵SSDのデータは残っていました。

黒画面や起動不能になったからといって、すぐにストレージを初期化する必要はありません。

まずはLive USBから起動し、パーティションやホームディレクトリが確認できるか調べることが重要です。

原因が分からないまま全体を戻すのは注意が必要

fsarchiverでパーティション全体を保存しても、起動しなくなったシステムをそのまま元へ戻せば、同じ問題が再発する可能性があります。

今回は新しくLinux Mintをインストールし、バックアップから必要なデータや設定を選んで戻しました。

少し手間はかかりましたが、原因となった可能性があるシステム部分をそのまま復元するより、安全に作業できたと思います。

バックアップは作成日も確認する

バックアップが存在するだけでは十分ではありません。

いつ作成したものなのか、現在の環境との差がどの程度あるのかを確認する必要があります。

今回、Timeshiftのバックアップは残っていましたが、今年のはじめに作成した古いものでした。

今後は定期的にバックアップを作成し、保存先や作成日時も確認しようと思います。

普段から外付けストレージへバックアップを作成しておくと、今回のようなトラブルでも落ち着いて対処できます。

まとめ

今回は、Linux Mintのアップデートを適用したあと、Core i7-2720QM搭載ノートパソコンが黒画面のまま起動しなくなりました。

Recovery Modeや古いカーネル、GRUBの設定変更、ファイルシステムチェックなどを試しましたが、改善しませんでした。

Timeshiftのバックアップは残っていたものの、今年のはじめに作成した古い状態だったため、最新の環境を残す目的でfsarchiverを使用しました。

実際に行った復旧の流れは、次のとおりです。

  1. Linux MintのLive USBから起動する
  2. 内蔵SSDのデータが残っていることを確認する
  3. fsarchiverでシステムパーティションをバックアップする
  4. Linux Mintを再インストールする
  5. fsarchiverのバックアップを別のパーティションへ復元し、rsyncでホームディレクトリをコピーする
  6. 以前のFirefoxプロファイルへ切り替える

この作業によって、Linux Mintを再び起動できる状態に戻し、ブックマークやパスワード、履歴、タブなども含めて、以前の環境をほぼ復元できました。

なお、同じ時期に更新したほかのLinux Mint搭載パソコンでは、今回の症状は発生していません。

すべてのLinux Mint環境で起きる問題ではなく、パソコンの構成やカーネル、ドライバーなどの組み合わせが影響した可能性があります。

Linux Mintが起動しなくなった場合でも、すぐに初期化やクリーンインストールを行わず、まずはLive USBからデータを確認することが大切です。

今回の経験を通して、Timeshiftだけでなく、fsarchiverや外付けストレージへのファイル保存など、複数のバックアップ方法を用意しておくことの重要性をあらためて実感しました。

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